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自己責任論から抜けきれない大阪カジノ構想

カジノ賭博解禁の動き
03 /11 2018
 報道(産経、2月23日)によれば、「大阪府の松井一郎知事は・・・カジノの面積や入場回数の上限を盛り込んだ規制案は「・・・投資意欲を損なう」、マイナンバーカードの提示義務には「国民の10%しか普及していない。個人の特定が必要なら運転免許証で良い」・・・入場回数の上限についても「子供じゃない。無理やり縛る必要はない」」などと述べたそうです。
 民間企業がカジノ事業で儲けようと考えるのは致し方ないことかもしれませんが、こと賭博事業に関しては、「賭博事業の儲け=ギャンブラーの不幸」という図式になります。自治体が、「ギャンブラーの不幸」を発生させないために働かなくて、いったい誰ががんばってくれるというのでしょうか。
 「子供じゃない」ギャンブラーたちが、パチンコや公営ギャンブルで、たいへんな目に遭っています。カジノとて同じこと。ギャンブラーたちが「子供じゃない」から放っておいてよし、というのは、ギャンブルにはまって破綻するのは自己責任であり、社会として対策を講じる必要がないという発想につながるもので、大阪府市が進めようとしているギャンブル依存対策の本気度も疑われる発言であり、今すぐ発想をあらためていただきたいと思います。

カジノ事業者のために、「ほどほどに」済まされようとしているカジノ規制

カジノ賭博解禁の動き
03 /09 2018
 報道(毎日新聞、3月7日19時18分配信)によれば、「自民党は・・・カジノ・・・検討・・・の会合を開き、論点整理をまとめた。・・・
 論点整理は入場料が「2000円では安すぎる」との意見を明記した。ただ、自民党内のカジノ推進派にも配慮し、「そもそも入場料は不要だ」との意見も併記した。PT幹部は「3000円が限度」との見方を示した」んだそうです。
 私たちは、カジノに対する規制が行われるとしても、最終的には、カジノ事業者に配慮して、ほどほどの規制にとどまると考えています。
これまでのIR推進会議での議論も、また、今回の自民党内で行われた議論を見ても、まさに、ギャンブラーの安全は二の次にされて、いかにして「ほどほどの規制」にとどめようかという作業の過程が公然と行われています。
 結局こうなります。安全なギャンブル場なんて夢物語りであり、少なくない日本人が人生を破滅させてしまうことでしょう。そんなことを容認していいはずがありません。
 いま議論されているカジノ規制の水準は、モデル視していたシンガポールにも遠く及ばないものになっており、「世界最高水準のカジノ規制」はどこへ行ったんだと叫びたい気分です。
 カジノ合法化の議論は、即刻中止すべきです。

「カジノ規制「がんじがらめ意味ない」 横浜商議所会頭」

カジノ賭博解禁の動き
02 /23 2018

 報道によれば、「横浜商工会議所の上野孝会頭は・・・カジノ・・・実施法案で検討されている入場規制などについて「がんじがらめになってしまったら意味がないものになる」と指摘し・・・ギャンブル依存症への対策などの目配りをしつつ「(規制は)バランスを考えたものを」、現在政府で検討されている2000円の入場料や7日間で3回までの入場回数制限などについて・・・「国の内外の人があまりに利用しにくい形を取るのはIRの将来としてつまらないことではないか」と」話したとのことです(日経、2月22日22時配信)。
 シンガポールにも及ばない、この程度の規制を「がんじがらめ」と感じておられるのですから、カジノで儲けようとしている人たちにとっては、ギャンブラーが来やすいように「さらに緩和しろ」ということになりますよね。
 「バランス」というのは「言い得て妙」で、ギャンブラーたちの安全は二の次で、カジノの儲けのために、規制はそこそこにしましょうね、という本音が現れており、政府のカジノ実施法の議論も、懸念したとおりの動きになってしまっています。
 彼らは、ギャンブラーの安全もギャンブル依存対策も真剣に考えていません。
 なお、現在検討されている入場規制は、日本人や国内居住外国人に対するものですから、「国の・・・外の人が・・・利用しにくい」というのは、どこかに誤解があるか、引用のミスリーディングと思われます。

「博打大好き中国人富裕層がマニラのカジノで大勝負 フィリピン渡航する中国人が増加中」

カジノ賭博解禁の動き
01 /08 2018
 グローバルニュースアジアというサイト(11月17日9時15分配信)によると、「麻雀にトランプ、将棋などで賭け事を楽しんでいる光景は日常茶飯事で目にすることが多い」「中国人富裕層は」「マカオや韓国へ行ってカジノを楽しんできたのだが、マカオは渡航規制が入り、韓国は団体旅行が禁止されたので行くことがこれまた難しくなった。」「成人男性の半分近くが喫煙し、ポイ捨て、痰吐きが恒常的な中国人にとって罰金ルールが厳しいシンガポールは非常に窮屈で惨めな思いをするとあまり行きたがらない。」「最近、増えているのがフィリピン。・・・ポイ捨ても痰吐きにも寛大なので中国と同じような感覚で遊べると大勝負に興じている」んだそうです。
 もともと外国人観光客増というお題目を掲げている日本カジノ(本当は、日本人目当てであることは明らかですが)なので、中国人富裕層は大歓迎のはずですが、シンガポールでは上記のような軋轢があるようです。
日本国内のルールを逸脱するが、大金を落としてくれる外国人に対して、日本カジノは、影で舌を出しながら差し出されたお札を数えるのでしょうか。情けなく感じます。
お金に色はついていませんので、どんな無礼な人であれ、また、どんなに破滅的な賭けをする人であれ、知ったこっちゃないということで略奪していくのがカジノです。

「大阪万博誘致、懸命の訴え パリでプレゼン、カジノが鍵」

カジノ賭博解禁の動き
01 /08 2018
 報道(朝日新聞、11月16日12時14分配信)によれば、「政府は・・・2025年国際博覧会の大阪誘致をめざし、パリで開かれた博覧会国際事務局・・・総会で大阪万博の具体的な構想を提案した。・・・日本が提案した万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。・・・パリの博覧会国際事務局の総会で政府が提案した万博の舞台は・・・人工島・夢洲・・・招致に敗れた2008年夏季五輪の選手村の予定地で、「負の遺産」となっている場所」とのこと。
 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにしておいて、なぜカジノなのか。自らの開発失敗の結果としての「負の遺産」を糊塗すべく、カジノ誘致を成功させるために、万博を餌にして公共投資を図ろうとしているようにも思えます。
カジノは日本人から巻き上げるわけですから、日本人にとって「負の遺産」であることは変わらないばかりか、日本人から吸い尽くして利益が上がらなくなったときにはカジノは撤退するわけですから、結局元の木阿弥となり、振り出し(というよりはマイナス)に戻ることになりませんか。
 大阪府市民のアンケートによれば、万博誘致を指示する人が多数ですが、カジノとなると途端に賛否が逆転します。大阪人は、カジノを望んでいません。
 そもそも、賭博場で少なからぬ人が極端なダメージを受けているのに、その同じ島の中で「いのち輝く未来社会のデザイン」を思い描くというのは、冗談がきつくないですか。

管理者

 昨年末、残念ながら「特定複合観光施設区域の推進に関する法律」(カジノ賭博場の設置を進めるための法律)が成立し、また、各地の地方自治体がカジノ賭博場誘致のために活動を活発化させています。
 私たちは、こうした動きに反対し、「我が国にカジノ賭博場を設置させないことを主たる目的として設立」された民間団体です。
 私たちは、「全国各地に広がるカジノ賭博場設置に反対する人々と広範に連携して、日本中のどこにもカジノ賭博場を設置させないための全国的な取組みを行な」います。

HP http://www.anti-casino.net/index.htm

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