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日本人客から巻き上げられるように「切磋琢磨」する和歌山と大阪

カジノ賭博解禁の動き
05 /21 2018
 和歌山県知事が、前言を翻して、日本人のカジノ入場を認めるという方向に舵を切ったという報道を受けて、大阪府知事が、「大阪では最初から日本人客も入場できると言っている。・・・・IR事業者に開業したいと手を挙げてもらえるように和歌山県とは切磋琢磨していきたい」と述べたそうです(産経新聞、5月10日)
 カジノ開業を国に認めてもらうためには、自治体と事業者がセットになって申請することになります。すなわち、事業者に気に入ってもらえなければ申請さえできません。すると、どうなるか。カジノ依存対策をできるだけ緩くすることになります。日本人客からどれだけ巻き上げやすくするか、規制を緩くすればするほど事業者に気に入ってもらえることでしょう。結果、大阪と和歌山は、日本人客から巻き上げやすくする仕組みを作るために、「切磋琢磨」することになります。
 世も末というべきでしょう。

「神戸はたぶんカジノは作らないと思う」などというのん気なことでよいのか

カジノ賭博解禁の動き
05 /20 2018
 報道(5月7日、日経新聞)によれば、「神戸商工会議所の家次恒会頭は・・・「神戸はたぶんカジノは作らないと思う」と述べた」そうです。それはそれでいいのですが、一方で「人口減少のなか集客は大事な要素で・・・チャレンジとして意味がある」などともされていて、のん気なことだ、と思ってしまいました。
 大阪・夢洲にカジノが開業した際、大阪府市民が巻き上げられるのは当然として、隣県の兵庫でもそういった方が発生するのは避けられません。一般県民のほか、商工会議所加盟の事業者のなかにも、カジノにのめり込むことによって破綻に追い込まれるところも出ることでしょう。
 カジノ誘致の隣接自治体では、県民、市民の資産のうちどれほどがカジノに吸い取られていくのか、また、どれほどの人や事業者が経済的に破たんするのか、推計を即刻行なうべきでしょう。そして、その調査結果を、カジノ誘致自治体にぶつけるべきだと思うのです。カジノ誘致隣接自治体やその地域のリーダーたちには、そういった社会的責任があるのではないでしょうか。

「「和歌山県IR基本構想」を公表」のやっぱりネ

カジノ賭博解禁の動き
05 /17 2018
 報道(5月8日20時20分)によれば、「和歌山県は・・・ギャンブル依存症や破産リスクの対策、経済波及効果などを盛り込んだ「和歌山県IR基本構想」を公表しました。・・・ギャンブル依存症と破産リスクの懸念から、カジノ施設については外国人専用とする方針を示してきましたが・・・、仁坂吉伸知事は・・・「・・・日本人は絶対に入れないという方針は撤回する」と述べ」とのことです。
 当ブログでは、昨年4月15日付けで、「やっぱり日本人も入れることにしました、なんていうことにならなければよいのですが」として、懸念を表明していましたが、まさに、予想どおりの展開で、苦笑するほかありません。
 また、「ギャンブル依存症や破産リスク・・・対策として、カジノ施設での支払いに現金をチャージする「IRカード」を導入して使える額に上限を設定することや、「依存症対策専門員」というスタッフを配置して、言動や行動が不審な人を退場させること、ドレスコードを設けることなど」を検討するそうです。「IRカード」による上限額設定は、やりようによっては有効ですし、むしろパチンコ等他のギャンブルでも導入すべき対策だと思いますが、ドレスコードというのはどうでしょうかね。身なりがそれなりの人なら被害に遭わないという思い込みがあるようですが、かの大会社の御曹司はそれなりの身なりをしていたと思うんですけどね。

「パチンコ自己・家族申告システム」運用の限界

ギャンブル依存対策
04 /28 2018
 この間、一般社団法人日本遊技関連事業協会(以下、日遊協)の調査として、パチンコ業界が力を入れているという「自己・家族申告システム」の現状が報告されました。
プレスリリースされたようですが、日遊協のHPには見当たりませんでしたので、以下、報道された内容をもとに、コメントします。
 「パチンコ店における「自己申告・家族申告プログラム」とは、遊技客本人もしくはその家族が、当該遊技客の入店や遊技の回数や金額等を制限できる仕組みで、事前にパチンコ店に申告をしておけば、申告された上限である遊技回数や遊技金額を超えたタイミングで、店舗スタッフが遊技客に声掛けをするというもの」です。
 「平成30年2月末現在、「自己申告・家族申告プログラム」が導入されているパチンコ店の数は、全国で2075店舗」であり、「3月6日の時点で、この自己申告・家族申告プログラムに申し込んでいる人数は73名」、うち「71名は使用金額の制限をかけており、回数制限は9名、時間制限も9名」「入店制限を申告している人は4名」なんだそうです。
 カジノでも導入されるというこの制度ですが、確かに、ギャンブル依存対策としての効果を有するとは思いますが、ギャンブル依存が「否認の病気」であるという特質からすると、自己申告に期待することは誤りであり、家族による申告はありうるとしても、この制度による申告内容が、「全国のパチンコ店全店で共有される訳ではなく、あくまで、申告された店舗のみでの対応となり、遊技客本人が「どうしても、パチンコ(パチスロ)がしたい!」と思えば、隣の店に行けば良いということにな」ります。
 また、入店時に身分証明を要しない現制度では、人相や服装を変えればいくらでも入場できますし、また、制度利用者が増加した場合には、声かけが可能かどうか怪しいものです。
 したがって、この制度を全国のパチンコ店が運用したところで、情報共有がなされず、また、入場時チェックがなされない現状では、ほとんど効果を発揮できないでしょう。
 パチンコがギャンブルかどうかはおくとしても、我が国のギャンブル依存のほとんどがパチンコ依存であることからすれば、パチンコ業界のこのような甘い対応は看過することはできません。

和歌山知事は、カジノ誘致に「全力を尽くす」な

カジノ賭博解禁の動き
04 /06 2018
 報道(朝日新聞、4月4日3時配信)によれば、和歌山の「仁坂知事は・・・本人確認にマイナンバーカードを使うことなどを評価。・・・「政府で規制がよく考えられている。依存症リスクの心配がなくなれば、日本人を入れても大丈夫かと思う」「全力を尽くして3カ所の中に入りたい」と意欲を示した」そうです。
 この程度で「依存症リスクの心配がなくな」るとお考えだそうですから、知事は依存症の実態をご存知ないといわざるをえません。
こんなことに「全力を尽く」さないでいただきたいものです。

管理者

 昨年末、残念ながら「特定複合観光施設区域の推進に関する法律」(カジノ賭博場の設置を進めるための法律)が成立し、また、各地の地方自治体がカジノ賭博場誘致のために活動を活発化させています。
 私たちは、こうした動きに反対し、「我が国にカジノ賭博場を設置させないことを主たる目的として設立」された民間団体です。
 私たちは、「全国各地に広がるカジノ賭博場設置に反対する人々と広範に連携して、日本中のどこにもカジノ賭博場を設置させないための全国的な取組みを行な」います。

HP http://www.anti-casino.net/index.htm

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